ご挨拶

大会長 北海道へき地・複式教育研究連盟委員長 田中和敏

てっぺん”を目指した教育実践の発信を

『最北の風薫る宗谷の海と大地に生き 未来を担う子らに 豊かな心と確かな学びを!』のスローガンの下、第64回全道へき地複式教育研究大会宗谷大会を開催するにあたり、北海道へき地・複式教育研究連盟を代表して一言ご挨拶を申し上げます。
 宗谷複式教育研究連盟は平成8年に北海道へき地・複連教育連盟に復帰し、平成13年には復帰後はじめてとなる第50回宗谷大会を40年ぶりに開催しました。その後、全道14管内による輪番で全道大会が開催され、宗谷地区では3回目となる全道大会が14年ぶりに開催されます。
 この14年間で北海道のへき地・複式教育を取り巻く状況は大きく変わって来ています。過疎化と少子高齢化の進行によるへき地・複式校の減少に歯止めがかからず、輪番で予定されていた全道大会の開催を返上した地区も出てきています。また、平成13年の第50回宗谷大会では10市町村19校16会場で分科会が開催されましたが、本大会では8市町村9会場での開催となるなど、大会規模の縮小も顕著となっています。
 児童数や学校数が減っても、そこに子どもがいる限り、豊かな心をもちたくましく生きていく子どもを育てる“へき地・複式教育”の重要性は不易です。宗谷複式教育研究連盟の加盟校は25校ですが、32校の未加盟へき地級指定校をはじめ、全ての学校が協力して開催されるのは、今後の道へき・複連の在り方を示唆する貴重な大会になると考えています。
 本大会は、第9次長期5か年計画2年次[実践研究・検証期]の研究大会であり、『主体的・創造的に学び、豊かな心でたくましくふるさとを切り拓く子供の育成~へき地・複式教育の特性を生かし、児童生徒一人一人に 未来に「生きる力」をはぐくむ学校経営と学習指導の充実をめざして~』を研究主題として、複式授業、少人数授業などのへき地・複式教育の基盤の確立と、様々な今日的教育課題解決に迫る教育実践を通して、一人一人の教師力向上と組織的な学校力向上を目指しています。
 宗谷は、地図では日本の最も上“てっぺん”に位置しています。そんな“てっぺん”の地で、へき地・複式教育の“てっぺん”を目指した教育実践と研究成果が全道の仲間に発信され、研究の輪が一層広がり、北海道のへき地・複式教育の質の向上が図られることを祈念してやみません。
 結びになりますが、本研究大会の開催に当たり、ご指導とご支援をいただきました北海道教育委員会をはじめ、宗谷教育局、宗谷管内各市町村教育委員会、教育関係諸団体の皆様、並びに会場校の先生方、保護者の皆様、児童生徒の皆さん、そして関係機関の皆様に心より感謝とお礼を申し上げ、ご挨拶といたします。

実行委員長 宗谷複式教育研究連盟委員長 井村雅彦

「オール宗谷」での発信を

秀峰利尻富士を仰ぎ、花の浮島礼文島を有する宗谷管内で全道各地より多くのへき地・複式教育に携わる皆様をお迎えし、第64回全道へき地複式教育研究大会宗谷大会を開催できますことに心より感謝とお礼を申し上げます。
 大会スローガンを『最北の風薫る宗谷の海と大地に生き 未来を担う子らに豊かな心と確かな学びを!』と設定し、稚内市民文化センターを主会場に管内各地で九つの分科会を公開します。
 宗谷での研究大会は、平成13年度に開催されました第50回大会以来の14年ぶりの開催となります。当時の大会はへき地・複式校の数も多く、管内全体で17会場・16分科会で開催され、延べ2400名の参加者があったと当時の資料に書かれています。
今回の大会は、全国・全道の課題と同じようにここ宗谷でも小規模校の統廃合が進み、14年間で25校の学校が歴史に幕を閉じました。今回の研究大会では、市町村にへき地複式校が1校しかない町村が3町村ありますが、8市町村・9分科会の発表を実施します。
本研究大会は、管内教育研究大会としての位置づけを図りながら、この研究大会を通して管内教育の推進を図るという大きな使命も持っています。へき地・複式校だけの研究大会という押さえを取らず、単式校の先生方や中学校の先生方にも研究大会と関わりを持ちながら、一人一人の教職員としての研修を重ね、資質の向上を図る大会として取り組みを進めて来ました。
各分科会で進められている指導案検討などに於いても複式校のみならず、管内サークルや市町村サークルにも呼びかけ事前授業を実施するなど、この研究大会を通して分科会会場に留まらず、研究の輪が大きく広がりました。
 本研究大会を通して、実行委委員会をはじめ各分科会でも北海道へき地・複式教育研究連盟の第9次長期5カ年研究推進計画を踏まえながら、自校の研究課題や学校運営の状況をもう一度見つめ直し、全道の研究との整合性を検討しながら、研究の成果を全道へ発信していきたいと考えています。
 最後になりますが、昨年のプレ大会及び本研究大会実施に際しまして、北海道教育委員会、北海道教育庁宗谷教育局、各市町村教育委員会等、管内外の教育関係機関の皆様に感謝とお礼を申し上げ、挨拶とさせて頂きます。


北海道教育庁宗谷教育局長 岡村眞規子

 第64回全道へき地複式教育研究大会宗谷大会の開催を祝して

 第64回全道へき地複式教育研究大会宗谷大会が、全道各地から多数の先生方をお迎えし、宗谷管内で盛大に開催されますことを、心からお祝い申し上げます。
 また、北海道へき地・複式教育研究連盟におかれましては、「へき地」「小規模」「複式学級」という学校の特性を生かし、子ども一人一人に、未来に生きる力を育む学校・学級経営や学習指導の在り方等について研究を深められるなど、本道におけるへき地複式教育の充実・発展に大きな役割を果たされており、60年を超える歴史と伝統を築き上げてこられた関係の皆様に深く敬意を表します。
 さて、人口減少やグローバル化の進展など、社会が急激に変化する中で、私たちが住んでいる地域が持続的に発展していくためには、ふるさとに誇りをもち、その未来を支える人材の育成が大変重要です。こうした中、学校教育においては、子どもたちが、多様な考えに触れ、協力し合い、他者と協働しながら、切磋琢磨することを通じて、未来を切り拓いていく力を身に付けさせることが求められております。
 特に、初等中等教育においては、子どもの潜在的な力を最大限に引き出すことにより、一人一人が互いを認め合い、尊重し合いながら自己実現を図り、豊かな人生を送れるようにするとともに、新しい社会を築いていく力を育むことが大切です。
 そのため、へき地・複式教育においては、子ども一人一人の力や可能性を十分に引き出すとともに、集団の中で自己の存在を自覚しながら、仲間と協力し、認め合う中で、互いを高め合う集合学習や交流学習等の教育活動を実施するなど、子どもの学習をより充実させる必要があります。
 宗谷管内においては、6割以上の小学校が複式学級を有しており、それぞれの学校が、子どもが主体的、意欲的に学ぶための授業づくりなどに取り組むとともに、これまで新しい時代に対応した指導の在り方などについて研究を積み重ねてきたところです。
 この度、「最北の風薫る宗谷の海と大地に生き 未来を担う子らに 豊かな心と確かな学びを!」をスローガンとする本研究大会において、全道のへき地・複式教育に携わる先生方が一堂に会し、公開授業や研究協議等をとおして研究を深められることは、大変意義深く、宗谷管内のみならず、本道のへき地・複式教育の充実につながる大きな成果を上げられることを期待しております。
 結びに、本研究大会の準備をしてこられた宗谷複式教育連盟の皆さんに深く敬意を表しますとともに、北海道へき地・複式教育研究連盟及び宗谷複式教育連盟の今後ますますのご発展と会員の皆様のご健勝を祈念申し上げ、開催に当たってのお祝いの言葉といたします。