昭和23年、本連盟の前身である宗谷単複教育連盟が発足し、この年発足した北海道単複教育研究連盟にも加盟しました。翌、昭和24年には稚内の市制移行に伴い、稚内市が町村とは別個に道単複連に加盟しました。
昭和58年、それまで稚内市と管内町村との2本立てで行われてきた複式教育研究を統一する組織の再編が図られ、「宗谷複式教育研究連盟」が誕生しました。当管内の各市町村の研究体制はその地域性や歴史性から一様ではありませんが、統一主題である「宗谷の風土に生きる創造性豊かなたくましい児童生徒の育成」を目指して、へき地・複式・小規模校が極めて多い宗谷の教育の充実発展に大きく寄与してまいりました。
宗谷複式教育研究連盟の事業である「宗谷複式教育研究大会」については、平成13年度「第50 回全道へき地複式教育研究大会宗谷大会」の成功後、平成14年度よりブロック制を基本にして、各学校の学校研究の深化を目指し、共同研究と交流を柱としながら実践的な研究を深めてまいりました。各ブロックでは、会員はもとより、広く教育関係者のご理解とご支援で多くの困難を乗り越え、管内教育の充実発展に資する大きな研究成果や財産を 残し てきました。
現在、「宗谷複式教育研究大会」は、第43回枝幸大会以降、 宗谷管内教育研究大会との共同開催により、より多くの教師の学びが実現できるよう取組を進めています。その中で、令和2年・3年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止により、開催を中止にしました。 令和4年度は、2年ぶりに猿払・浜頓別・中頓別大会を会同で実施し、管内複式教育の貴重な学びの場となりました。
また、令和4年度の複式実践講座は、ハイブリット方式で行いました。 北海道教育大学旭川校へき地・小規模校教育研究センターから芳賀 均准教授に講師を依頼して、「へき地小規模式のメリットを最大限に活かす授業づくり」と題した講座を開催しました。オンライン参加者は、その後、「小規模複式ならではの実践交流」を実施し、現場の教師の声をたくさん聞くことができました。その中から、課題が明らかになりました。
そして、令和5年度は、事前に算数の授業動画を見て、「実践した人(小野 文雅教諭)に聞きたいこと」「自分ならこのように授業する」「こんなことを知りたい」など、授業に関わる意見を持ち寄って実施しました。また、以下の2つのポイントにしぼって、教育実践講座を開催しました。
①少人数での主体的、意欲的、対話的な授業の在り方(学習リーダーの育成を含む)
②見通しをもった授業をする学習過程のあり方(わたり、ずらし/学力差が大きい場合などを含む)
たくさんの教師の皆様に参加していただき、「少しでも思ったことを言える力を子どもにつけることが大切。」「 どの場面でどの資質能力向上をさせるのか、単元構成が大切。」「 何を学びたいのか、モチベーションをたかめることが学習への意欲につながる。」「 悩みをだし合い、トライアンドエラーを繰り返しながら指導をしていくことが大切。」などの意見が飛び交う有意義な交流になりました。
また、今年度も芳賀 均准教授のお越しいただき 「複式授業のスキルアップをしよう」~「子供主体」の授業をめざして~ について講義していただき、先生も子どもも楽しく授業をするポイントや効果的な複式授業のありかたについて講義をしていただきました。とても実りの多い実践講座となりました。
学校統廃合等で宗谷管内のへき地教育を取り巻く状況は、年々厳しいものになってきております。しかし、時代の 急激な変化に翻弄されることなく、50 年間の歴史に学んできた着実な実践研究と「五つの財産」をもとに、新たな展望を見いだしていきたいと考えております。