第64回全道へき地複式教育研究大会宗谷プレ大会総括
平成27年度、宗谷で14年ぶりに開催される全道へき地複式教育研究大会宗谷大会のプレ大会は、9月10日(水)、26日(金)に1市7町1村の9会場で分科会を開催し、のべ488名の参加(来賓含む)を得て成功裡に終了することが出来ました。平成27年9月17日(木)、18日(金)に開催する本大会に向けてプレ大会の総括をします。
Ⅰ.宗谷大会で目指す5つの理念にかかわって
宗谷大会に向けて大切にしたいこととして、5点を挙げて取り組んできました。
1.オール宗谷で学びの場をつくる大会に
〇宗谷校長会、宗谷公立学校教頭会、宗谷管内教育研究連携会議より実行委員会に参加していただき、オール宗谷の実行委員会を組織することが出来ました。また、他団体からの実行委員からは、各団体を通じてプレ大会への参加、協力を呼びかけていただきました。
〇多くの分科会で町村研と連携した分科会実行委員会を組織しました。また、町の枠を越えた町研の連携により、管内すべての市町村にプレ大会に関わっていただきました。
〇管内すべての市町村教育委員会より後援をいただきました。
〇その結果、来賓以外の管内参加者がのべ352名となりました。宗複の会員数が173名ですので、約半数は複式以外の学校から参加していただいたことになります。
△複式以外の学校から多くの先生方に関わっていただきましたが、「複式校のお手伝い」という意識の人も多かったのではないでしょうか。「自らの学びの場」へと意識を変えていく必要があります。
2.全道に宗谷の教育を発信する大会に
〇管外からの参加者は、道へき・複の助言者も含めてのべ73名でした。道教育大釧路校の先生、学生の参加もありました。
〇保小中高の連携、理科の複式指導、集合学習等、各分科会で特色ある教育を発表することができました。
〇道へき・複の2分野8課題への理解が進み、課題との関連を踏まえた研究発表を行うことができました。
△分科会により管外参加者の数に偏りがありました。それぞれの分科会の良さを積極的にアピールする手立てが必要です。
△宗谷の特色である1分野の充実をどのような形で発信するかが課題です。
3.子どもの現実から出発し子どもに返す大会に
〇どの分科会も質の高い授業公開、研究協議を行うことができ好評でした。
〇子どもの実態や地域の実態、へき地、小規模、複式の3特性等を踏まえた研究となっている。
〇当日の授業だけでなく、日常的な学習訓練、学習規律の積み重ねを通して、子どもの力を伸ばす研究となっている。
〇保護者との連携や、地域人材の活用を取り入れた分科会もあった。
△研究を通してどのように子どもが変容したかを把握する手立てが必要である。
4.創意工夫による低コストの大会に
〇実行委員会を宗複連の既存の会議(役員会・代表者会議)と兼ねることにより、旅費を大幅に節減することができました。
〇大会紀要等は印刷屋に出さず手作業で作成しました。
〇参加案内、実行委員会便り等はメールでデータを配信することにより通信費を大幅に節約できました。
△全体予算は、かなりの繰り越しが見込まれます。必要な部分にはしっかりと予算を使い、メリハリのある予算執行にする必要があります。
5.ICTの活用で時間と空間の壁を越える大会に
〇大会ホームページを作成し情報発信を行いました。
〇インターネットからの大会参加申込も一部取り入れました。
〇大会実行委員会便り、分科会便りをメール配信することにより、管内の全学校に情報発信、情報共有することができました。
〇大会事務局と、各分科会との情報交流をメールの活用によりスムーズに行うことができました。
〇各分科会に関わる資料をデータとして事務局に集約することができました。
△公開授業の指導案や分科会研究紀要などもホームページに掲載して、データベースとして活用していくことも課題です。
Ⅱ.大会実行委員会の運営に関わって
1.事務局
・案内文書の送付が遅れてしまった。締切時点での参加者が少なかったため追加募集をした。早めの送付が必要である。インターネットでの参加申込も試行した。
・研究推進委員会、各部会等の会議を開催できなかったため、確認事項が分科会担当者まで充分浸透しなかった。
2.研究部
参加者アンケートより
・若い先生の頑張りが見える活気のある授業
・研究仮説や内容と授業の一致
・学習規律など授業の土台が身についている
・研究協議の工夫~小グループで、討議の柱の掲示、黒板の用意
道へき役員より
・「わたり・ずらし」を明確にしたオーソドックスな授業が多い
・授業者も若い先生が多く、活気を感じた。
3.総務部
参加者アンケートより
・授業会場の混雑
工夫~教室の戸を外す、プレールームで実施、別教室で中継、1コマに2本授業
・全体会場に机があった方がありがたい、昼食時、研究協議の際のメモに必要
・好評だった点~美味しい弁当、PTAによる接待、お土産販売、生ピアノ、アトラクション
・大会主題、スローガン等の文言の間違い
4.組織情報部
・全体の実行委員会便りの他、各分科会より実行委員会便りが発行され交流された。
・大会事務局を通して管内全小中学校、全道各管内複式事務局へメールで発信した。
▲非常に多くの広報が発行されたため、管内への配信が遅れてしまった。
道へき役員より
・若い授業者のがんばりを全面に的に打ち出した広報で、新たな参加層の確保ができるのでは。
・「日本最北の授業実践を見てみませんか?」などのキャッチフレーズで、全国に広報できる。